****色の知覚 仮説「方向性と次元」

95/11/03 Yukimi Hayashi   

 物や光には本当に色が着いているのでしょうか。そして何故色があるのでしょうか。現在の科学では肝心なところは殆ど何も解明されてはいません。

 眼(脳)はどの様なメカニズムで****色を識別し物を見ているのでしょうか。
私達は眼から入った映像を、切れ目の無い映像としてではなくて、先ず一度、映画の撮影カメラの様に、目が常に微動(固視微動)することに依り映像をコマ切れにして、一コマ一コマ比較し、次にスクリーンに映し出された映像の様に連続した映像として再現しなおして視ているものと考えられています。

二つの実験

そこで、ある二つの実験を手掛かりに色とは何かを考えてみましょう。
◇ 実験1(主観色)(フィスティンジャー)

白色光を明滅させて明の時に光の強さをプラス方向、或いはマイナス方向に変化させてみます。
更に明のサイクル時に変化のスピードを曲線的に変えてみます。すると変化のパターンの違いにより図のような色が現れます。

この様に元々色が無いところに色が現れる現象を主観色と呼んでいます。
主観色

 7●4●、 6●3●、 5●2●と波形を重ね合わせると何れの組も特徴を打ち消しあって白(灰色)の波形に近づきます。
***補色同士を光で混ぜ合わせると白色になるということがこの実験からも類推できます。

◇ 実験2(ランド効果)

図の様に色彩のある光景を2台のカメラで一方は赤フィルター、もう一方は緑フィルターをかけて二枚の白黒スライドを作ります。

それを二台のプロジェクターを使い両スライドを同時にスクリーン上に重ねて投影します。

その時に赤フィルターを使ったスライドには赤フィルターをかけ、緑フィルターを使ったスライドはそのままにして通常の白色光をあてます。
ランド効果
 両スライドとも白黒であり用いた光の色といえば赤(フィルター)だけなのに、スクリーン上には元の光景の全ての色が再現されます。
 使用するフィルターは何の制約もありません。二つが異なる色であれば、一方は無色でも構いません。フィルムは白黒でなくても用いるフィルターと周波数が少し違えば単色でもよいのです。

考察

 以上二つの実験から言えることは、色を知覚する為には二点以上の情報が必要だということです。

実験1、では光の明滅により映像を細切れにして、時間の経過に伴う連続した光の強度変化の繰り返しです。

実験2、では色の違うフィルターを用い撮影した二枚の白黒スライドの差です。 フィルターの色、フィルムの色には制約されないということですから、二枚のスライドの差は、色の違うフィルターによる、それぞれのフィルム上に生じた明暗の差、及びそのパターンの差の情報ということになります。

 なぜ二つ以上の点の情報が必要かというと二点間の落差、言い換えると光エネルギーの方向(性)を決める情報だからです。カメラ1、プロジェクター1に同一のフィルターを使用するのは一方を落差の基点にするためです。

 色の特徴が中和されている、エネルギーの落差がない所に落差の情報(実験1:明暗の変化、実験2:白黒スライド)を加えれば色が現れるのです。
ですから二つの実験の光源には、光の三原色が全て含まれている白色光を用いる必要があります。

 それは落差を0(ゼロ)にするためです。白色とは色が無いのではありません。全ての色が中和(方向性の相殺)された状態を指しています。“光”の**9gに相当します。
実験1の説明で「元々色が無いところに色が現れる現象を主観色と呼んでいる」と説明しましたが、正確には色が無いのではなくて、全ての色があるけれど「色が現れていない」と言うべきです。

光エネルギーの方向性

“光”エネルギーの方向性  説明上、方向(性)と表現しましたが、これは基点から**2●7●のどちらの方向を向いたエネルギーかということで、仮に方向性としましたが本来の呼び方があります。

 2●7●の光の方向を三次元的に表現すると図aのようになります。
 図aの左下の3●5●7●側から見ると2●から7●の光が****左回りに並びます。
 3●,5●,7●を反対側(鏡像)に畳み込むと図bの右上部分になり、光の並ぶ順序が理解し易くなります。


 2●5●,3●6●,4●7●それぞれが正対しますが、これは補色の関係です。補色といわれるのはエネルギーの方向が逆向きの関係を言います。

 3●,5●,7●を光で混合した場合は白になり、2●,4●,6●を色で混合した場合は黒になるという光と色の三原色の性質の違いは、図のようにそれぞれが正反対の方向を向いているためです。

 2●,4●,6●は物質世界の物の色を表し、3●,5●,7●は物質世界の光の色を表している訳ですが、これは2●,4●,6●が物質世界の次元である前、右、上(縦、横、高さの一方)の三つの次元に対応し、3●,5●,7●は物質世界の下、後、左(高さ、縦、横のもう一方)の三つの次元に対応している事と関連しています。

 3●5●7●→9gそして2●4●6●→9gです。これは3●5●7●次元=2●4●6●次元という事です。
数式にすれば E=MC となります。

E が3●5●7●次元、即ち物質エネルギーの次元です。MC2●4●6●次元、こちらは物質次元です。物質はエネルギーであり変換率が光速度の二乗という訳です。 「=」という記号は左右が循環している事を意味していて、エネルギーは物質に物質はエネルギーに常に循環している事を表します。

 次元を二つづつワンセットにして縦(2●5●)、横(4●7●)、高さ(6●3●)としたままでは問題は解けません。物質世界の次元は6次元であり、実は方向性とは次元の一面なのです。
そして縦2●5●の次元を一般的には時間と呼んでいます。これも同様に前(過去)と後(未来)に分けて考える必要があります。

 未だに****時間が何か一向に解けないのは6次元である物質世界を、3次元空間あるいは4次元時空間と考えている事と、時間の矢が過去から未来に流れている(向いている)と****勘違い(物理次元に限れば、流れという考え方は出来ず間違いではない)している事。更に物理学では物質空間ではない未来(後ろ)の次元が扱えない事に起因しています。

ハレーション(方向性の分解)

 カメラを太陽等の明るい点光源に向けて撮影すると絞りやシャッターの形に関係なく六角形のハレーションが現れます。 これは三次元世界(2●4●6●世界)から光源(3●5●7●世界)に向かって撮影した事を意味しています。
ハレーション(方向性の分解)  2●,4●,6●世界に投影された2●7●のそれぞれの光は六つの方向を向いている為、それがレンズ(球面)により分光され、それぞれの方向に分解されたものが六角形のハレーションとなって現れる訳です。

 これは方向性が目に見える形になって現れたもので、この2●4●6●空間の平面上に投影されたものは*369のマークなのです。
 プリズム(平面=2次元)による分光は**色のみの分解です。この場合(レンズ=球面=3次元)は色と方向の分解です。そのため369マーク(ハレーション)は単色になります。

 これらのことから****波長で代用されている、**9の色性は“光”エネルギーの方向性を通して現れます。「色性=方向性=次元性」と言っても良い訳です。
勿論、光の進行方向ではなくて、光そのものの持つ方向性です。ですから白色光とは方向を持たない状態を指し、図の中心点です。

  実験2の二枚のフィルム上にはレンズ(球面)により方向を分解された光の情報が記録されています。その情報はそれぞれ方向(二点間で表す)の片方の点です。
二台のカメラに取り付けられた異なる色のフィルターにより二枚のフィルム上の任意の同一位置の情報はそれぞれ異なっています。それを同一スクリーン上に重ねれば元の光の方向性の情報が再現され色が現れると考えられます。

 ではその方向性をどのように認識し色を知覚しているのでしょうか。3種の錐体自体には直接色の識別作用はありません。また波長とも直接関係せず、色光の違いを各錐体のアミノ酸配列の違いにより、光の吸収度合いの差に変え光量(エネルギー量)の変化として感知していると言われています。

実験1は、明暗(光量)の変化と増減の仕方が、実験2は、眼の微動により任意の点(明あるいは暗)から他の点(暗あるいは明)迄の変化の仕方及び変化量が、錐体の色光に対し起こす反応と一致し、脳がそれを比較処理し色として認識しているものと思われます。
 右図は白黒のパターンだけで色が現れる簡単な例です。白地に斜線を引いただけのものですが、斜線の白地の部分に何やらもやもやとした色が現れるのは、眼の微動により方向性を感知しているからです。 目の微動と主観色(方向性の感知)
ベンハムのコマ  左図はベンハムのコマ(色々なパターンがある)と言われ、コマにして回すと色が現れます。実験1の光の明滅の代わりに回転により明暗(白黒)を切り替えます。模様は波形の違いと同様の意味を持っています。

参考文献

「錯覚のワンダーランド」 鈴木光太郎 (関東出版社)
「ハテ・なぜだろうの物理学3」 j.ウオーカー 戸田盛和 他訳 (培風館)、他。
 これらは、あくまでも一つの推論です。目や脳の働き等の一部の説明及び実験以外は本などに掲載されていません。無論二つの実験に関する理論だった説明は一切なされていません、ハレーションについても同様です。

 2●4●6●3●)と3●5●7●6●)のワンセットで、この物質世界の光は***36(ミロク)の光で出来ています。
 図aの立方体は八個に分解でき、図bはその内の二つですから、これは全体の25%に相当します。***エゼキエル書の四つの生き物の一つ、また光の計算の***六段分、個性のエネルギーと同じ25%です。
 面白い事に宇宙の物質分子中ヘリューム分子が占める質量の割合が宇宙全質量の丁度25%で、原子生成以来この比率は変わらないそうです。

 ベンハムのコマの仲間です。他にも色々考案されています。
ベンハムのコマ(各種パターン)



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