***水の三重体



「すると、なんですか。ノストラダムスの『諸世紀』という本は、その内容の何十%かは天上界にあった、または天上界でも起こってくるできごとについて書いてあるということになりますね」
・・・(中略)・・・
 「はい。先生にはこの四行詩がおわかりになりますか。
水の三重体から生まれてくる者が
水曜日をその休日と定めるだろう
その名誉名声 法律権力は次第に増大し
陸海ともに東洋の台風となるだろう」
「わかるわけがないではありませんか」
 「そうおっしゃいますが、水の三重体の意味がわかりますと、先生に簡単にお解けになります」
「本当ですか」
 「本当です。 よろしゅうございますか。 水の三重体とは、天上界の菩薩界というところにある***生命の水が流れとなって、**大きな意識の滝のようになっているところをいいます。
元来、菩薩界以上の方は、地上に出てくることが普通の人々と比べて数が少ないのです。
 そこで地上の人間生活に慣れるために、地上の時間の尺度とは違いますが、一応赤ちゃんのところから成人して行くところまで、天上界でリハーサルしてから地上に生まれてくることになっております。
 ところが、134先生もご指摘のとおり、地上の人間が、神の書かれた計画を次々に修正していってしまいますから、うっかりすると間に合わなくなってくることがございます。
 その時は、緊急事態ですから、光の天使といわれるような方は、そのまま母上の胎内に入って地上の赤ちゃんからやりだすわけでございます。
これらの方々は常に、緑の大地は人々のためにあるものであり、あなたには天上界という故郷がすでにあるのだから、現象界である地上に出た場合は、人並に自分の幸福を第一に求めてはならない、ということを強く意識づけられています。
 しかし、いかに強く意識づけられても、一度肉体を持ってしまうと、如来の意識を持った方でも、地獄にいってしまうようなことを犯してしまうのが、この地上界でございますから、なかなかのことではこのことを憶い出しもませんし、憶い出しても、この地上界での幸福を追い求めないという勇気を持つことは大変なことでございます。
 ですから、これらのことが起こらない強い勇気を持つように、緊急事態で出てこられる方は、この水の三重体を、大きな声で、
勇気と智慧と努力
勇気と智慧と努力
勇気と智慧と努力
といいながら、くぐり抜けて地上界に生まれてくるのでございます。
この時は、この三重体の回りに菩薩界以上の方が勢ぞろいして、皆で一生懸命三重体をくぐる方に光を送ります。その光景は荘厳と申しますか、本当に素晴らしいものでございます」
 (**ノアの箱舟 第V部 P-42 〜 P-46)


 著者の**渡辺泰男とある婦人の会話です。言葉の世界と言葉を超えた“光”の世界に辿り着くまでの移行期に書かれたものです。

 「ノアの箱舟」は著者が“光”を解明していく過程が大変美しい、感動を誘う文章で書かれています。
それ故に何度も絶版を考えた末、“光”の記念碑的書であるということと、“光”を探究して来た過程を後生に残す意味から、絶版を思い止まったという、彼の著書では唯一*言葉で語られた例外的な書です。



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